近藤悠三
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近藤悠三 作家情報
近藤悠三は京都市清水寺下に、父、正平、母、千鶴の三男として生まれました。祖父の正慎は清水寺の寺侍でした。京都市立陶磁器試験場付属伝習所轆轤科に入所し、卒業をした後、同じ試験場で助手として勤務しました。当時、河井寛次郎と濱田庄司が東京高等工業を卒業し、技手として陶磁を研究していました。悠三はその濱田から、窯業科学等を学んでいます。
陶磁器試験場を辞めた後は、イギリスから帰国した富本憲吉の助手となりました。素地や釉薬の技法だけでは無く、制作に対する心構え等も富本から指導を受けています。京都に戻ると、関西美術院洋画研究所でデッサンや洋画の研究をしました。その傍らで、清水新道石段下に窯を構え作陶を始めました。この頃、染付では無く、釉裏紅や象嵌等の技法も用いた作品を発表しています。
第9回帝展で初入選を果たした後は、13回連続で入選しました。他にも文展などで多くの作品を発表しています。山水染付壺が第3回日本伝統工芸展で日本伝統工芸会賞を受賞しています。日本工芸会常任理事、陶芸部会長を歴任しています。
京都市立美術大学で陶磁器科助教授をし、同大学で教授、学長に就任し務めました。
近藤悠三は、紫綬褒章や勲三等瑞宝章、京都市文化功労者章等、数々の受賞歴があり、重要無形文化財染付の保持者にも認定されました。
岐阜県多治見市で志野焼の研究を始めた頃、染付の制作に専念しました。つけたてとぼかしを基調とした筆遣で濃淡を表現しています。モチーフはザクロや梅。そこで絵画的な表現をしました。1960年以降は呉須染付に併用し、赤絵や金彩の技法を用いるようになりました。それにより独特の作風を確立する事になります。「自分は、し残したことがあるので、生まれ変わっても、陶芸家として生まれてくる」…と生前に語っていました。
略歴
1902年 | 京都市清水寺下で生まれる |
1914年 | 京都市立陶磁器試験場付属伝習所轆轤科に入所 |
1917年 | 卒業 同じ試験場で助手として勤務 |
1921年 | 陶磁器試験場を辞め富本憲吉の助手となる |
1924年 | 京都に戻る |
1928年 | 第9回帝展で初入選 |
1950年 | 第6回日展で審査員 |
1955年 | 日本工芸会に所属 |
1956年 | 山水染付壺が日本伝統工芸会賞を受賞 志野焼の研究を始める |
1953年 | 京都市立美術大学で陶磁器科助教授 |
1956年 | 同大学教授 |
1965年 | 同大学学長に就任 |
1970年 | 紫綬褒章を受賞 |
1977年 | 重要無形文化財染付の保持者に認定 |
1980年 | 紺綬褒章 |
1985年 | 逝去 |
1987年 | 近藤悠三記念館開館 |
2002年 | 茨城県陶芸美術館で「人間国宝 ・ 近藤悠三 -染付の美-」を開催 |
2010年 | 銀座和光で「近藤陶芸の世界 ―伝統と革新―」を開催 |
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